こんにちは。
前回のブログでは、起きたら朝食を食べよう!という旨をお伝えしましたが、では食事をするにあたってどういった点に気を付ければいいのでしょうか?
厳しい食事制限をして、好きなものを我慢しなければならなかったら、せっかくのごはんも美味しくなくなってしまいますよね。
今回は、楽しく好きなものも食べながら健康管理をしていく上で、日々の食事の中で気を付けてほしいポイントを4つご紹介します。
Contents
バランス
1つ目のポイントは「バランス」です。バランスのいい食事、と一口に言っても何を食べればいいかわかりませんよね。具体的な栄養素やカロリーなどをご説明します。
バランスのいい食事とは
バランスのいい食事とは、身体の調子を整えるビタミンや食物繊維豊富な野菜、血や肉になるタンパク質、そして今まさに活動するエネルギーになる炭水化物がきちんと含まれた食事です。
脂質も必要ですが、たんぱく質を摂ると不足なく摂取できるので、ここでは特に取り上げません。
三食ともすべてが含まれているのが理想ですが、毎食全部が入ったものを用意するのは難しいと思うので、朝食べられなかったものを昼に、朝と昼に食べられなかったものを夜に補うように意識すると良いでしょう。
カロリーバランスとしては、半分が炭水化物、2割が脂質、3割がたんぱく質のバランスになっていることが理想的です。
食事制限やダイエットの話題になると、炭水化物が悪者にされる傾向にありますが、実は自分の身体を動かす最低限のエネルギー分は摂らないと、身体に負担になります。
とりあえず「炭水化物を減らせばOK」という食事制限は医師の立場からお勧めできません。
みなさんはあまり意識していないかもしれませんが、炭水化物は少なめにしても、脂質を摂りすぎてしまっているケースが意外と多いのです。
知っていましたか?脂質は実は10gで80kcalもあります。カロリーを気にして炭水化物を減らしても、脂質を摂りすぎてしまったらせっかくの努力も水の泡になってしまいますよね。
体重管理や糖尿病のコントロールを考えている人にとって、自分の摂っているものの量を意識することはとても大切です。
順番
2つ目のポイントは「順番」です。野菜から食べたほうがいい、ということを聞いたことがある方も多いと思いますが、順番に気を付けたほうがいい理由とその順番についてご説明します。
どうして順番にこだわるの?
食事をするときにいきなり炭水化物から食べ始めると、急激な血糖値の上昇を招きます。血糖値の大きな変化は、その血液に触れている血管の細胞にダメージを与えてしまいます。
そのため、食べる順番を意識して食事をすることで血糖値の急激な変化を防ぐことが大切です。
身体にいい順番とは
同じ食べ物でも食べ方によって血糖値が大きくあがってしまったり、太りやすかったりします。
例えば、サラダとごはんの場合を考えてみましょう。ごはんから食べた人と、サラダから食べた人では、血糖値の上がりも、血糖値の高い時間もごはんを先に食べた人の方が多く、そちらの人の方が血糖を下げるホルモンであるインスリンも多く必要なので、どうしても太りやすくなります。
それでは、先ほどの「バランス」を考えたとき、どのような順番で食事をするのが身体にとって得でしょうか。
まずはサラダやおひたしのような野菜から食べるのがコツです。しっかりと噛んで食べることで、胃や腸を動かします。
また、野菜の食物繊維が後に食べるものの身体への吸収を穏やかにしてくれます。
そして次に、たんぱく質を食べ始めてください。たんぱく質には肉、魚、大豆などがありますが、特に魚は、血糖値を下げるのを助ける消化管ホルモンの分泌を促し、この後炭水化物を食べるときの血糖値の上昇を緩やかにします。
その次に、活動のエネルギー源になる炭水化物を食べ始めます。また、果物やスイーツが食べたい場合は、食事の最後にデザートとして食べましょう。
野菜で消化管を動かし、たんぱく質で消化管ホルモンの分泌を促してから炭水化物を食べることで、血糖値の変動を出来るだけ少なくした糖尿病発症予防(治療中の方であれば良好なコントロール)につながる食べ方になります。
質
3つ目のポイントは「質」です。一口に「野菜」「タンパク質」「炭水化物」と言っても、色々な種類や食べ方がありますよね。
ここでは、それぞれをどのような形で食べたらいいのか、をご説明します。
野菜
野菜を食べるときに生と加熱したのではどちらが良いか、という質問をよく受けますが、「どちらもそれぞれいいところがある」というのがその答えです。
生で食べると、ビタミンCなど熱に弱いものや、カリウムなど茹でると水に溶けだしてしまうものをそのまま食べることができます。
しかし、かさ高いので量をたくさん食べられない、常に生の新鮮な野菜を入手することが出来るとは限らない、などの問題もあります。
一方加熱した場合、火を通すことで壊れてしまう成分や茹でることで失われる成分もありますが、かさが小さくなるのでたっぷり野菜を食べることが出来ます。
それぞれ野菜によって食べ方を工夫して、生の野菜も加熱した野菜も組み合わせながら食べると良いでしょう。
また、手軽に野菜が摂れるので野菜ジュースを飲んでいるという方がいますが、順番を気にして「野菜から食べる」というときには野菜ジュースでの代用はできません。
というのも、ジュースでは野菜に含まれる糖が吸収しやすい形になってしまっているので、食事の最初に摂ると血糖値の上昇を招きます。
フルーツを食後に食べるのと同様に食事の最後に野菜ジュースを飲むのであれば、問題ありません。
タンパク質
タンパク質については魚、肉、大豆それぞれのいいところをご紹介します。
<魚>
魚は、EPA/DHAなどの代謝にとても役立つ良質の不飽和脂肪酸を多く含むので、ただのタンパク質源というだけではなく、その他の代謝を助けてくれる働きがあります。そのため、できるだけ積極的に摂るように心がけましょう。
できれば加工食品ではなく、生の魚をお刺身で食べたり、煮たり、焼いたりできると好ましいですね。
<肉>
鶏の胸肉に多く含まれる身体を動かすための必須アミノ酸や、豚肉に含まれる代謝を助ける働きのあるビタミンBなど、肉だからこそ得られる成分もあるのでしっかり食べてほしいと思います。
しかし脂の量には注意が必要です。動物性の脂をたくさんとることは、酸化した飽和脂肪酸をたくさん摂ることになります。酸化した飽和脂肪酸は代謝しづらく動脈硬化の原因となってしまうからです。
<大豆>
豆腐や納豆などの大豆食品は良質なたんぱく質を含んでいます。また、抗酸化作用があり、動脈硬化を予防するのに役立つイソフラボンも含まれています。買い置きも簡単で便利な食品なので、ぜひ毎日とりたいものです。
炭水化物
炭水化物というと、おそらくごはんやパン、麺類を思い浮かべると思います。しかし、大豆以外のすべての豆や、イモ、カボチャ、トウモロコシなども実は炭水化物の仲間です。
ただ、糖質だけではなく、他の栄養素も色々含むので、様々な種類の炭水化物を摂るといいですね。
ごはんに雑穀が入っていたり、玄米だったりすると、普段の食事ではとりづらいビタミンや食物繊維を糖質と一緒に摂ることができますね。
一緒に摂取することによって、血糖の上昇を緩やかにし、代謝をスムーズに進める手伝いをしてくれます。
白いごはんや、パン、白い小麦で出来た麺類を主に食べている方も、時には玄米や雑穀入りのごはん、胚芽入りのパンなども摂れるといいですね!
量
4つ目のポイントは「量」です。バランスよく順番を考えて質の良いものを食べても、流石に量が多過ぎたら健康を害してしまうということは、皆さんもお判りだと思います。
身体にイイ!と言われているものでもたくさん摂り過ぎたら身体の負担になり、肥満の原因になってしまいます。
食事量の目安
1日の食事量は、自分の活動量、身体の大きさ、年齢などにもよりますが、およその目安を知っていただくための計算方法をお教えします。
必要なカロリー(kcal)=身長(m)×身長(m)×22×25(座り仕事など活動量が少ない場合)
立ち仕事など中等度の活動量がある仕事の場合は、最後の数字を30にして掛け算してください。
外食の時には、内容によっては高カロリーになってしまうこともありますよね。
そんなときは一両日中に調節をすればいいので、(できれば食べる順番には注意しつつ)美味しく食べたいものを食べてOKです。
健康食生活まとめ
いかがでしたでしょうか?なんといっても食事は「食べたいものを美味しく楽しく」食べてもらうのが大事なポイントです。
何かを食べてはいけない、という考え方をせずに、バランス・順番・質・量に気を付けながら健康的に楽しく美味しく食事を摂ることを心がけましょう!
私も、野菜から食べるようになってから太らなくなりました。体重は、維持できています。
前日食べすぎたなーと思ったときは、少し量を減らしていますが、毎日30分から50分のウオーキングで、今の体重を維持できているのは、野菜からの摂取が良い効果をもたらしていると思います。