秋と言えば「実りの秋」。
暑い夏を越えてたっぷりと栄養をたくわえた食材が店先に並び、食欲をそそりますよね。
前回までに健康生活をおくるために、朝起きてやってほしいこと、食生活の注意、日常に運動を取り入れることを提案しましたが、自分なりのペースが出来てきましたか?
3つ全部を取り入れるのが無理でも、出来そうなものからトライして、自分にとってここちよいペースを作っていくことをオススメします。
健康になりたい!という気持ちがベースにあれば、楽しく継続することができますよ。
さて、秋と言えば、「食欲の秋」。気温も落ち着き過ごしやすくなって、おいしそうな食べ物が海や山、田畑から目の前に押し寄せてくる季節ですね。こんな素晴らしい時期を楽しまない手はありませんが、過食・多飲による体重の増加は皆さん気になるところだと思います。
夏の間、いいペースをつかみかけた方も一気に体重が増えてしまったらモチベーションが下がってしまいますよね。
そこで今回は、秋を楽しみながら健康を増進し、季節が進み冬になってからも役立つ4つのポイントをお話したいと思います。
塩について
夏の間は、活動中のみならず、睡眠中も汗をたくさんかいて塩分を失うので、むしろ意識して塩をとるようにしていた方も多かったと思います。
最低気温が20℃を下回り寝苦しくなくなってくると、夜間を含め汗の量も減ってきます。
しかし、食事での塩分摂取量はどうでしょうか?
夏はサッパリと冷たい調理法や、あっさりした味付けを好んだ方も、これからの季節は温かく火が通った煮物や煮込み料理、お鍋などが恋しくなってきますよね。
実はこれらの調理法は皆、塩分をたくさん含んでいます。火を通すことで野菜はたっぷりと食べられますが、汁を含め塩分摂取量が増えてしまうのです。
塩分を摂りすぎると・・・?
夕食に濃い味のものをたくさん食べて、朝に顔が腫れぼったく目が重く感じたことはありませんか?その重さの正体は「むくみ」です。
塩分を過剰にとると、組織がむくみ、代謝が悪くなってしまいます。代謝の悪化は体重増加に繋がります。さらに、末梢の循環が悪くなっているために、血圧が上昇し、心臓や腎臓にも負担がかかることになります。
特に今、糖尿病や高血圧症、腎機能障害などで、治療中の方は、病気の悪化につながるので、注意する必要があります。
1日の目安
日本食は、世界的に見ても中華料理の次に塩分が多く、日本人は1日平均10g以上の塩分を摂取していると言われています。
現在治療中の方は、1日6gなど、指示量を守ってください。血圧について特に問題の無い方でも出来れば8g未満を目標にトライしてみましょう。
上手な減塩方法
<自宅>
・味付けを濃くしないのがポイントです。ただぼんやりとした味では美味しくないので、素材の風味をいかし、出来るだけ下味には塩を含む調味料の使用を控えましょう。出来上がり前に味見をして、最後に足すようにすると効果的です。何度か温めなおすものは食べる前に食べる分だけ味を調えるのがオススメです。
・香辛料やねぎ、大葉、生姜、ゆず、すだちなどの香りや風味を上手に使うのも塩分を減らして美味しく食べるコツです。日本は香味野菜が豊富なので、色々な食べ合わせで飽きることなく食材を楽しみたいですね。
・調味料、しょうゆ、ソース、ドレッシングなどを全体にかけるのではなく、小皿にとってつけながら食べると1/2~1/4に減量することが出来ます。つけながら食べることで食事のスピードもゆっくりになり、よく噛んで食べることに繋がりますね。
<外食>
・治療中の方は、注文時に塩分をひかえてもらえるように話をしましょう。ただし、鍋料理のようにみんなで食べるものだと難しいので、汁やつけダレを控えてみてください。
・プロの味を美味しくいただくのも楽しみの1つですが、濃い味付けのものばかりでは塩分をとりすぎてしまいます。コース料理では内容が決まっているので、汁やソースを残すように食べるといいですね。
塩分の排泄
腎機能に問題の無い方は、十分な水分をとると塩分を排泄することが出来ます。
食事中、ビールやワインなどアルコールを飲むことも多いと思いますが、アルコールは利尿作用があり、血管内の水分が減ってしまうので、アルコール飲料以外の水分を摂ることが必要です。
<カリウム摂取のすすめ>
カリウムは野菜や果物など生ものの細胞の中にたっぷり含まれています。そのため、野菜などを茹でてしまうとせっかく含まれていたカリウムが茹で汁に流れ出てしまいます。
出来れば生で食べる、グリルで焼く、蒸す、のいずれかの調理法で食べると良いでしょう。カリウムは熱に強いので、外に流れ出ない調理方法であれば大丈夫です。
カリウムを水分と一緒に摂ることで、塩分の排泄を高めることが出来ますよ。
秋食材について
秋になると、新米をはじめ、田畑から芋・カボチャ・栗など、美味しい食材がたくさん穫れますよね。果物も1年で最も糖度が高くボリュームがあります。
この時期の甘みが強く美味しい食材には、糖質がたくさん含まれています。楽しんで食べていただくことは大切ですが、摂取量には注意が必要です。
糖質について
食生活の注意点でお話したとおり、糖質は必須のものですが、量の摂り過ぎは体重増加の原因になります。
美味しいからこそ食べてほしいと思いますが、食べる順番を意識して適量を摂るようにしましょう。
果物も糖質ですが、ビタミンやミネラルが豊富なのでぜひ摂ってもらいたい食材です。しかし、糖度が高く分量も大きいため、過食に気を付けてデザートに食べるようにしましょう。
出来れば活動をスタートする朝に摂るのが1番です。夕食後の食べすぎには特に注意しましょう。
脂質について
秋には秋刀魚や戻りガツオなどの魚にも脂がのってきます。例えば戻りガツオは同じ重さの初ガツオの約2倍のカロリーがあります。栄養もあり質の良い食材ではありますが、食べすぎると体重増加につながります。
また、肉についても、サッパリした部位や調理法を好んだ夏に比べて、コッテリと塩分や油脂を多用した料理を選びたくなりますよね。
バラ肉は20gで約80kcalの脂を含むので、食べる際には脂の摂り過ぎに注意しましょう。
そういった注意をすると、焼肉のカルビを美味しく食べられなくなってしまいそうですが、脂の多い食事を摂った翌日は魚のメニューを選ぶなど、脂を重ねて摂り過ぎないように注意するのが体重を増やさずに食事を楽しむコツです。
アルコールについて
秋の食材には同じ時期に出来るワイン、日本酒、その他のアルコールもとても合い、楽しむ機会も増えると思います。
糖質が入っていない蒸留酒であっても、アルコール1gあたり7kcalあるので、たくさん飲むと体重増加の原因になります。
体重を増やさないために、飲み過ぎには十分な注意が必要です。また、アルコールを摂ると食欲が増すので重ねて気を付けましょう。
運動について
運動会や各種スポーツ大会など、秋はスポーツ関連の行事も多いですよね。暑くて外でスポーツをするには少し努力や注意が必要だった夏に比べて、身体を動かすのに気持ちの良い季節になりました。
日頃からスポーツをされている方は、そのまま継続して楽しんでください。
あまり運動習慣がなかった方も前回のブログを読んで日常生活に少し動きを取り入れられましたか?外出をしたときには、少し足を延ばして散歩をしてみるのはいかがでしょうか。季節のうつりかわりを肌で感じ、充実した気分になれると思いますよ!
その際には、夏のように暑くはありませんが水は忘れずに摂るようにしてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。食欲の秋を楽しみながら健康的に過ごす4つのポイントがおわかりいただけたと思います。
誘惑の多い季節ですが、4つのポイントを意識しながら楽しく美味しく健康生活を送りましょう!